開店準備
私どもFC独立王では、個人での新規出店をおこなう場合には、業態、条件は問わず、そのほとんどの場合で『居抜き物件』でのスタートをご提案させてもらっています。

居抜き物件とは、前のテナントが使っていた状態の内装や設備、什器等が残っている物件のことを言います。

『造作譲渡』『権利譲渡』などに関しては不動産屋を通じて前のテナントとの交渉が必要となりますが、必要なものをそのまま引き継ぐことができれば、スケルトンから全てを新規でやるよりは、その初期投資費用を大幅に減額することができます。
ただし、いくら居抜き物件でのスタートのほうが格安で出来るからと言っても、むやみやたらに、ただ金額が低いものばかりを選ぶのは考えものです。
居抜きの場合、必要となる設備等が最初から揃っていることで、メリットが多いのは確かな事実ですが、中には調子の良くない什器や、既に壊れているもの(冷凍庫、冷蔵庫、コールドテーブル、オーブン、フライヤー、製氷機 他)などを、そのままの状態で置いていっている場合もあるので、そういう点だけは契約前に入念にチェックして欲しいと思います。
あと、冬場であっても、必ずエアコンの動作確認はされておいて欲しいと思います。
業務用エアコンはその能力によって、何馬力という言い方をしますが、通常の一般的な物件によく備え付けられている、天井カセット型と呼ばれるものなどは、交換すれば数十万単位の金額となってきます。
不要な設備等があった場合は、新しいものと取り替えるだけでは無く、その撤去や処分にまで費用を要することになります。
仲介役に入っている不動産屋は、意外とこういうところには自分たちからは触れようとはせず、見て見ぬ振りをしていることもあります。
一度、契約をしてしまってから、あそこが悪い、ここに不備があると言っても、そのほとんどの場合で、借り主側の言い分が通ることはありません。
よく言われるような、安物買いの銭失いにはならないように、この点だけは慎重に検討をされることをお勧めします。
また最近では、不動産屋によっては、仲介手数料などの諸費用などを取らない所も出てきています。
通常、仲介手数料は不動産屋の大きな収入源となるはずなのに、この仲介手数料が無料というのは不思議に思える話しですが、そういうパターンの多くは、不動産屋は貸し主からのみ仲介手数料をもらって、借り主の仲介手数料を無料にしている仕組みになっています。
たかが仲介手数料と思われがちですが、毎月の賃料が10万円であれば、その1ヶ月分が丸々浮く訳ですから、そういう物件に当たるということは確実にプラスになります。
初めての新規出店にはわからないことが多いのは誰でも一緒のことですので、分からないからと業者任せにしたり、言いなりになったりはせずに、自分自身で可能な限りの情報収集をして、少しでも費用を抑える工夫をしていって欲しいと思います。
また、いくらいい条件の居抜き物件を手に入れたとしても、完全にそのままの状態で営業を開始出来ることは非常に稀なことです。
調理器具として、フライパンや鍋、包丁や、まな板などの必須品目、または食器や卓上テーブルに置く備品など、細かなものを揃えていくのにも、後で計算してみると、意外に結構な金額がかかってくるものです。
今は、ありとあらゆるものがネット上で売られています。
例え、近くに専門の厨房機器専門店があったとしても安易に即買いはせずに、そのサイズや仕様、型式などをチェックして、それを後でネットの専門ショップで購入するというのも1つの手です。
1つ1つの金額は大したことが無くても、トータルで考えると思ってもいなかったような金額になることもあります。
実際にこれは本当につい最近あった話しなのですが、私達のクライアントさんにフランチャイズ形式の、ある焼き鳥店を出店された方がいますが、その方とのお話の中で、その本人さんが、オープン前には、早く開業したい、出店したいと心躍るばかりに、少しばかり金銭感覚がおかしくなっていたと、そう言われていました。
その方は、自己資金を多少余裕がある程に用意出来ていただけに、最初のその投資費用には、つい、ここにはこれ位が妥当だろうとか、業者が言うならそれ位が相場だろうと自分基準の考え方で判断してしまい、後で調べてみたらトータルで100万以上の大きな金額を損していたと嘆かれていました。
普通の状態の中では、100万円という金額は大変に大きな金額だと思えますが、この方のように新規出店などの時には、やはり心躍る気持ちになることや、気分的に高騰するのは意外と多いことで、その時の心理状態では、この100万円という金額が、僅か数分の一位にしか感じないというのも、この方だけが決して特例という話ではありません。
感覚的には旅行などに行った際に、そこで食べるもの、お金を払う様々なことに、普通なら絶対に高いと思えるようなことが、せっかく旅行に来てるんだし、まぁ今回だけはいいかなどという感覚になるのと、とても良く似ていると思います。
ただ、
飲食店の新規開業というのは、そんなちょっと旅行にいって楽しんで来るというのとは訳が違います。
旅行に行って使ってしまう無駄なお金は、あの時は無駄なお金を使ったけど楽しかったねで終わらせることも出来ますが、自分の挑戦を賭けたビジネスのスタートにおいては、それとこれとはちょっと別のものになってきます。
飲食店事業を成功させる大きな要因には、初期投資費用をとにかく抑えるということは別コーナーでも詳しく述べていますので、その点だけは常にシビアに、そして細か過ぎるくらいの気持ちを持って取り組んでいかれることを、助言させて頂きたいと思います。